2024.9.24

日本卓球協会は、卓球における健全な競技環境の構築と、選手・指導者の健やかな成長を支えるため、以下の啓発ステートメント(立場表明)を発表いたします。

指導者のスポーツ倫理と責任に関する啓発ステートメント

敬意と尊厳の尊重

すべての卓球選手は、個々の人間として尊重される権利を有しています。またすべての指導者には、選手の尊厳を守り、人種・年齢・性別・障がい・宗教その他の状況にかかわりなく、選手の健全な自己成長を促す支援を行うことが求められます。

試合の公正性の確保

競技の勝敗は、選手の努力と競技力によって決定されるべきであり、試合の操作や結果の不正な調整は許されません。指導者は、フェアプレーの精神を常に選手に教え、すべての競技が公平に行われるように努めなければなりません。

セクシャルハラスメントの撲滅

どのような形態であれ、セクシャルハラスメントにあたる行為は許されません。指導者は、性的な言動や行為を一切行わないことはもちろん、選手のプライバシーや身体的自由を尊重しなければなりません。

暴力・パワーハラスメントの防止

指導者は、自身の権力を濫用して、選手に精神的・肉体的な苦痛を与えてはなりません。選手が競技において最大限の力を発揮できる環境を提供するためには、信頼と支援に基づいた指導が不可欠です。物理的な暴力はもちろん、暴力的な言葉や態度、または不当な要求をすることは許されません。

コミュニケーションの透明性

指導者は、選手やその家族、そしてチームスタッフとオープンで誠実なコミュニケーションを保つことが重要です。不満や問題が生じた場合、それを適切に解決するための透明なプロセスが確保されなければなりません。

教育と啓発の推進

指導者自身が常に倫理的行動に対して高い意識を持ち続けるだけではなく、選手たちにも正しい価値観を教育することが求められます。日本卓球協会は、各加盟団体と共に、定期的な研修や啓発活動を通じて、すべての関係者が健全な競技環境を築くための取り組みを行っていきます。

終わりに

私たち日本卓球協会は、卓球というスポーツが選手一人ひとりの成長と楽しさを追求できる場であり続けることを目指しています。選手と指導者が互いに敬意を持ち、スポーツインテグリティ(高潔性・健全性)の確保に努め、スポーツマンシップに基づいた競技環境を維持することが、卓球界の発展、ひいてはスポーツの社会的価値を高めることに繋がると信じています。

この啓発ステートメントは、すべての卓球人が、卓球コミュニティの一員としての責任を自覚し、今後の活動において常に意識していくべき倫理的な指針となります。

以上

公益財団法人日本卓球協会